ニュース・イベント
2023年07月26日

富士フイルム「SYNAPSE Creative Space」によるハンズオン実習が開催されました

北海道大学では、2023年7月22日(土)と23日(日)に、富士フイルム株式会社メディカルシステム事業部 ITソリューション部の尾渡裕成様を講師に迎え、「SYNAPSE Creative Space」を用いた画像診断AI開発におけるハンズオン実習を開催しました。本イベントは、北海道大学大学院医学研究院医療AI開発者養成プログラム(CLAP)のAI教育の一環として、画像診断AI開発の未経験者及び初心者を対象に、AI開発の一連の流れを体験し、その活用イメージを理解することを目的として行いました。とくに、プログラミングを一切必要としない、いわゆる「ノーコード」でのAI開発を参加者に体験していただくことを重視しました。

1日目は、コンピューター断層撮影(CT)の画像を用い、ヒトの筋肉(大腰筋)抽出のAIモデル及び骨粗鬆症リスク判定AIモデル作成を行いました。参加者はクラウド環境を使用してSYNAPSE Creative Spaceに接続し、教師画像作成及びラベル付けを行いました。作成した教師データを用い、AIモデルの訓練を行いました。2日目は、1日目に訓練したAIモデルの評価を行いました。AIの性能評価についてもROC(Receiver Operating Characteristic)解析やIoU(Intersection of Union)、Dice係数などが紹介され、参加者はAIの評価方法について理解を深めました。評価結果と教師データの対応性を確認し、教師データの作成がAI精度に直接影響することが理解できました。


実習の様子

このハンズオン実習では、AIの実践的な活用方法が具体的な手順とともに学べるため、参加者からは「内容が期待以上」、「また受講したい」、「他の方にも薦めたい」などの高い評価が寄せられました。また、AI開発の未経験者にとっても専門的な知識がなくても取り組みやすい内容であったとの声もありました。

医療AIを開発できる人材の育成を目指して、未経験者や初心者にも体験を提供するこのようなイベントを今後も開催していきます。北海道大学CLAPでは、先進的な技術に触れる機会を提供することで、より多くの人々が未来の教育とテクノロジーの変革に参加できる場を作り出しています。

SYNAPSE Creative Spaceについて

「SYNAPSE Creative Space」は医療機関や研究機関における画像診断支援AI技術開発の支援を目的とした、プログラミングなどの専門知識がなくても医師や研究者が自身で画像診断支援AI技術を開発することが可能なクラウドサービスです。国立がん研究センターと共同で開発したAI技術開発の研究基盤システムを用いており、画像診断支援AI技術開発におけるプロジェクト管理、アノテーション、学習、AI技術の試行など、一連の開発プロセスを実行するための機能をすべてクラウド上に搭載しております。
今回、本サービスのノーコードでAI技術開発が可能という特徴を活かし、医療用AI技術開発の一端を経験し、AI技術のリテラシーを向上させるための教育ツールとして、ハンズオン実習を開催させていただきました。
本サービスは2022年4月からベータ版をリリースしております。研究利用、教育利用にご興味のある方は以下よりお問い合わせください。
HP:https://synapse-creative-space-jp.fujifilm.com/