「ゲノム医療特論」のオンデマンド講義として、ゲノム医療領域の医療AIスタートアップの株式会社テンクーによる講義「がんゲノム医療xAI」を掲載しました。
講義内容: がんゲノム医療の概要から情報技術・AIによる支援について
本講義では、がんゲノム医療の概要から、情報技術やAIを用いたがんゲノム医療の臨床現場の支援方法や事例について、株式会社テンクー代表取締役の西村邦裕さんから講義を頂きました。
テーマ:「がんゲノム医療xAI 1」および「がんゲノム医療xAI 2」
対象 :北海道大学医療AI開発者養成プログラム(博士課程またはインテンシブコース)受講者に限ります
日時 : オンデマンド(2021年12月21日より公開しています)
お問い合わせ:med_ai@pop.med.hokudai.ac.jp
テンクーの取り組む課題
テンクーでは、生涯で2人に1人が罹患すると言われ、社会課題であるがんの医療、特に、がんゲノム医療に、AIやデータインテリジェンスを用いて貢献する活動を行っております。多数の遺伝子を同時に調べ、がん細胞の遺伝子に起きている変化、遺伝子バリアントを見る「がん遺伝子パネル検査」をサポートしています。2019年から保険診療のもとでパネル検査の提供が始まり、全国でがんゲノム医療の体制が整備され、広まってきています。
図1 がん遺伝子パネル検査の流れ
特に、がんゲノム医療で導入された専門家による討議・エキスパートパネルでは、がん遺伝子パネル検査での結果に対して、様々なデータベースやガイドラインを参照し、対象となる承認薬や臨床試験を調べます。Chrovisアノテーションサービスでは、これらの情報検索、およびエキスパートパネル向けの判断補助資料、患者さん向けの説明補助資料の作成を自動で行い、ゲノム医療、プレシジョンメディシンの持続的な発展を推し進めていきます。
図2 がん遺伝子パネル検査と情報解析の関係
講師プロフィール
株式会社テンクー 代表取締役社長 西村 邦裕
2001年 東京大学工学部 卒業。2006年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。 同大学の研究員・助教を経て、2011年に株式会社テンクーを創業し、代表取締役社長に就任。 大学時代の研究を社会に還元したいという思いから起業を決意し、ゲノム医療のためのトータルソリューションソフトウェア「Chrovis」の開発を始め、ゲノム医療を情報面から推進できるように活動している。 文部科学省 科学技術・学術政策研究所「科学技術への顕著な貢献2018(ナイスステップな研究者)」に選定。大学発ベンチャー表彰2019 文部科学大臣賞 受賞。博士(工学)。
株式会社テンクーについて
2011年創業の東京都文京区の医療IT系スタートアップ。「Chrovisの提供を通じ、医学研究、オーダーメイド医療、ゲノム創薬、遺伝子治療の継続的な発展を推し進めます」というミッションのもと、ゲノム医療における情報解析のためのトータルソリューションソフトウェアChrovisの開発とサービス提供を行っている。がん遺伝子パネル検査のエキスパートパネルなど臨床の現場を、最先端の情報技術とデータインテリジェンスにて支援している。
テンクー: https://www.xcoo.co.jp/