機械学習特論のオンデマンド講義として、ブレインヘルスケア領域の医療AIスタートアップの株式会社Splinkによる講義「医療AI研究開発概論 – AIビジネス事業化最前線」を掲載しました。
講義概要:研究開発から事業化・製品開発までのアプローチ
本講義では、研究開発型AIスタートアップにおける事業化を見据えた製品開発や研究のアプローチについて、「脳画像解析プログラム Braineer®」(*1)を開発した経験を踏まえて、代表取締役の青山裕紀さんより講義いただきました。
テーマ:医療AI分野における事業化を見据えたアプローチの手法や視点
対象 :北海道大学医療AI開発者養成プログラム(博士課程またはインテンシブコース)受講者に限ります
日時 : オンデマンド(2021年12月14日より公開しています)
お問い合わせ:med_ai@pop.med.hokudai.ac.jp
*1「脳画像解析プログラム Braineer®」
Splinkは、アカデミアとの連携を通じた領域特化型の医療AI開発の一貫体制の構築に注力し、2021年に「脳画像解析プログラム Braineer®」の医療機器プログラムとしての薬事認可を取得しました。
Splinkが取り組む課題
世界的な高齢化の進行に伴い、認知症患者数は国内推定600万人(*2)を越え、一方で認知症専門医の数は現在約2千人(*3)と言う状況下においてAI技術による医師への支援は重要な課題です。
認知症の原因疾患は多彩であり長い経過の中で症状も変化することから、その診断は困難です。そのため、医師の経験や主観が診断に占める割合は高く、正確な診断は職人芸とも言えます。このような背景の中、高齢化社会における認知症医療システムの構築は急務であり、認知症診断の重要性は高まっています。
この課題に対し、Splinkは専門医・アカデミアの高度な医療技術との産学連携を通じて、正確な診断に寄与する研究成果の社会実装を目指します。
*2 「わが国における認知症の経済的影響に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金(認知症対策総合研究事業))
*3 「日本認知症学会」「日本精神科医学会」資格取得者合計 2021.2時点より
講師プロフィール
株式会社Splink 代表取締役 青山裕紀
新卒で株式会社キーエンス入社。同社北米ビジネスにおける事業開発、ブラジル法人設立、メキシコ法人マネジメント等に従事。その後、シリコンバレーVCにてEiR (Entrepreneur in Residence)を経て、2017年1月に株式会社Splinkを設立、代表取締役に就任。ダートマス大学経営大学院(MBA)修了。
株式会社Splink紹介について
株式会社Splink(以下、Splink)は、2017年の創業以来、医療AIを社会実装し、中枢神経領域における疾患フェーズに応じたソリューションの提供をワンストップで行うことを目指してきました。発症前フェーズを対象とした疾患予防・啓蒙を目的とした脳ドック用AIプログラム、2021年6月には「脳画像解析プログラムBraineer(ブレイニア)」は、診断・治療フェーズにおける認知症見逃しを防ぐために開発、薬事認可を取得しました。日本発の科学技術を通じて世界の高齢化課題の解決を目指す総合ヘルステック企業です。
Splink :https://www.splinkns.com/